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アニメ/マンガの企画展はなぜ拡大するのか。文化と経済のインパクトから考える【2/2ページ】

 大規模企画展の先駆的な試みに、90年代末からの東京都現代美術館によるアニメ・マンガ関連企画がある。1998年に「マンガの時代展-手塚治虫からエヴァンゲリオンまで-」が開催されたのが皮切りだ。2004年の「日本漫画映画の全貌」では、原画やイメージボードなどの資料にもとづいてアニメーターにフォーカスし、日本のアニメーション技術の歴史を一望した。アニメやマンガの芸術性はほとんど意識されていなかった時期だけに、美術館でこうした視点でアニメ分野の企画展が成り立つことは大きな驚きを与えた。東京都現代美術館は、以後10年にわたりスタジオジブリやディズニー、レイアウト、美術、特撮と様々なテーマと角度からアニメやマンガの大型企画を続けた。東京都現代美術館の切り開いた道は、その後、国立新美術館「新海誠展」(2017)東京国立近代美術館「高畑勲展」(2019)などにつながり、アニメ関連の大型企画展は一般化していく。

「新海誠展」(2017、国立新美術館)展示風景より
「高畑勲展」(2019、東京国立近代美術館)展示風景より

 大規模企画展の増加は、アニメ・マンガの文化的な立ち位置の変化が影響している。大衆文化であることから、かつては芸術価値や社会意義の視点からは見落とされがちだったが、21世紀になってアニメ・マンガを文化史、社会的な立場からら見直そうとする動きが強まったからだ。それは日本アニメーション学会(1998年設立)や日本マンガ学会(2001年設立)の活動、教育機関の関係学部学科設立、制作中間生成物の保存の動きなどとも連動している。

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