ベネッセハウス パーク

同じく直島にある宿泊施設兼美術館がベネッセハウス パーク。ここにも複数の作品が展示されているが、なかでも注目すべきは「杉本博司ギャラリー 時の回廊」だろう。
2022年にオープンしたこの場所は、ベネッセハウス パークにおける杉本作品の展示空間を周辺のラウンジやボードルーム、屋外にまで広げ、その作品群を多角的に紹介するもの。
エントランスにある1977年の《華厳の滝》をはじめ、館内には杉本の代表的な写真作品が点在。「家具の彫刻化」に挑んだ3作品、そしてヴェネチア、ヴェルサイユ、京都で展示されてきた〈硝子の茶室《聞鳥庵》〉(2014)など、計30点が展示されており、杉本博司の多様な作品世界をたっぷりと堪能できる。とくに宿泊者だけの特典である夜の鑑賞がおすすめ。

©Sugimoto Studio
The work originally created for LE STANZE DEL VETRO, Venice by Pentagram Stiftung

©Hiroshi Sugimoto
撮影=杉本博司

なおベネッセハウス パークはビーチに面しており、草間彌生の《南瓜》も徒歩圏内。宿泊すれば、夕方や早朝に散歩がてら作品を見に行くことが可能だ。

© YAYOI KUSAMA
撮影=山本糾