すずえり(鈴木英倫子)
及川 第2期展(4月16日~5月18日)のすずえりさんは、ピアノや自作電子回路などを連動させたインスタレーションや即興演奏を手がけ、そこに物語性を見出す表現をしています。今展では、ハリウッド女優かつ発明家でもあったヘディ・ラマーの波乱に満ちた生涯にフォーカスしています。

すずえり 日本の公募の多くは「若手支援」の名目を掲げ、年齢制限がかかっていますが、それではある一定の年齢を過ぎた作家は活動を続けることが難しくなってしまう。その点で、「shiseido art egg」には年齢の規定がなく、今回の大きな応募理由となりました。
私はこれまで音や光を使った装置を制作してきましたが、今回の展示では、それらの装置をベースに、ヘディ・ラマーの生涯についてのリサーチを展開します。彼女の発明や、1人の女性の人生への共感を、装置を通じた「スペキュラティブ・パスト」として、現在から過去を再発明するような作品にしたいと考えています。資生堂ギャラリーの天井の高さや複雑な構造も含め、彼女が発明した通信技術を使いながら、装置の中に落とし込むつもりです。
歴史ある資生堂ギャラリーで展示するということで、たくさんの人に観ていただける可能性があると思います。自分のような作品をつくる人間がいることを知ってもらうこと、そしてそこからまた次の機会へとつなげられたら、とてもうれしいです。

水道橋Ftarriでのパフォーマンス
撮影=砂田紗彩 共演=遠藤ふみ

「The Process」Harvestworks, Govenors Island
モニター、自作基板、トイピアノ、光センサほか