無言館所蔵の戦没画学生たちによる作品が初めて長崎へ。長崎県美術館で「無言館 祈りの絵」展が開催

長崎県美術館で「戦没画学生慰霊美術館 無言館 祈りの絵」が開催される。長野県・無言館が所蔵する作品約140点が展示されるほか、同館館主を務める作家の窪島誠一郎と、画家・野見山暁治による講演会も開催される。会期は6月3日〜7月8日。

興梠武 編みものする婦人 無言館蔵

 長野県上田市郊外にある戦没画学生慰霊美術館・無言館。1997年に設立された同館は、日中・太平洋戦争中に志半ばで命を奪われた画学生たちの絵画が保管・展示されている施設だ。

 同館の静謐な空間に、確かな存在感をもって展示されている戦没画学生たちによる命の証ともいえる作品。学生時代に制作された作品や、出征直前まで描いていた作品、あるいは出征により完成されることのなかった作品は、無言館館主で作家の窪島誠一郎と、出征経験を持つ画家・野見山暁治の二人によって、遺族たちの多大なる協力のもとに収集された。

手島守之輔 自画像 無言館蔵

 そのような、戦没画学生たち本人のみならず、遺族の思いまで詰まった貴重な作品約140点が、平和都市・長崎に初めて一堂に会する展覧会「戦没画学生慰霊美術館 無言館 祈りの絵」が長崎県美術館で開催される。

 愛する家族、馴れ親しんだ故郷を後にし、生きて帰ったらまた好きな絵を描こうという希望を持ちながら、それが叶わなかった画学生たちが遺した絵画を、長崎という場で見ることのできる貴重な機会だ。

 なお、会期中には窪島誠一郎と野見山暁治による講演会も開催される。

片桐彰 街 無言館蔵

編集部

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