本展は、オウエンスの初期キャリアから最新コレクションに至るまで、約100点以上の作品を網羅し、その創作の軌跡と精神性を包括的に紹介するものである。オウエンス自身が芸術監督として参画し、ガリエラ宮のキュレーションチームとともに館内外の空間全体を“創造に捧げる寺院”として構成。展示には衣服だけでなく、彼の創作ノート、未公開のヴィデオ作品やインスタレーション、さらには彼に影響を与えたギュスターヴ・モロー、ヨーゼフ・ボイス、スティーブン・パリーノらの作品も含まれる。


また、長年のパートナーであり共同制作者でもあるミシェル・ラミーとの関係性にも注目が集まっている。展覧会では、夫妻がかつてカリフォルニアで暮らした寝室を再現し、ラミーがオウエンスの創造に与えた深い影響を体感できる構成となる。
展示は美術館の外にも広がる。オウエンスは美術館外壁の彫像をスパンコール刺繍の布で覆い、庭園には彼がデザインする家具シリーズを思わせるブルータリスト様式のセメント彫刻30点を設置。また、彼が愛してやまないカリフォルニア原産のブドウのつるや植物も庭園内に植えられ、空間全体がオウエンスの世界観で統一されるという。


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