プロジェクトの第1弾となる開幕展 「SA NI HA|さには」では、陶と書の筆跡を軸に、イサム・ノグチの石庭と対峙する勅使河原宏の造形的思考をたどる。80年に草月プラザ「天国」にて開催された「イサム・ノグチ 勅使河原宏 二人展」にて宏が出品した陶作品を、当時のレイアウトを参照し設置。また、石庭「天国」と勅使河原宏の「陶」をつなぐ要素として越前和紙にしたためられた、宏による書の筆跡をコラージュしたバナーを使用し展示する。
同展のディレクターを務める勅使河原季里は本展について、次のようにコメントしている。
勅使河原宏が生涯を通じて追求した芸術の境界を越える精神を具現化したものであり、陶芸と書の筆跡という二つの表現手段を通じて彼の芸術哲学に触れる貴重な機会です。特に、イサム・ノグチの「天国」という舞台に勅使河原の陶芸と書の筆跡が融合することで、二人のアーティストの対話が生まれ、私たちに新たな感覚の体験をもたらします。
また、本展は単なる展示にとどまらず、彼の作品が今日においてもなお問いかけ続けるテーマについて、観る者に静かな対話を促す空間となっています。勅使河原宏の作品が持つ力強さと繊細さ、そしてその内に宿る精神性を感じ取っていただければ幸いです。
なお、今後も本プロジェクトは主に草月会館を会場として、勅使河原宏展第2弾のほか、国内外の様々なアーティストとのコラボレーション企画展等の開催を予定している。
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