ルイ・ヴィトンの軌跡を日本の視点で再解釈。「ビジョナリー・ジャーニー」展が大阪中之島美術館で開催へ【2/2ページ】

 展示では、メゾン創業以来受け継がれてきた職人技やサヴォアフェール(匠の技)、叡智の継承、そして革新と創造への飽くなき探求心に光が当てられる。なかでも注目を集めるのは、19世紀からパリ市立公文書館で保管されてきたモノグラム・キャンバスの初期サンプルで、近年、美しく無傷の状態で再発見された逸品だ。

 さらに、製造工程の一部を実際に見ることができる展示スペースや、アンバサダーとしてメゾンと関わりのある著名人──十三代目市川團十郎白猿、広瀬すず、平野紫耀──に関連したドレスやトランク、グラフィックアーティストVERDYとのコラボレーション作品も登場。それぞれのアイテムに宿る個人の物語を垣間見ることができる点も、本展の大きな見どころのひとつである。

 ルイ・ヴィトンというブランドを築き上げてきた人物、技術、文化との結びつきを多角的にとらえ、過去から未来へと続く“旅”を体感できる本展。展示品一つひとつが語る物語に耳を傾けながら、メゾンの精神に触れる貴重な機会となるだろう。

編集部

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見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都