ラフ・シモンズも注目。ロサンゼルスを拠点とするスターリング・ルビーが最新作を発表

ロサンゼルスを拠点に、2000年代初頭より多様な素材や技法を駆使した作品を手がけてきたスターリング・ルビー。タカ・イシイギャラリー 東京で4年ぶりとなる個展が開催される。会期は2018年3月23日〜4月21日。

スターリング・ルビー VERT. BUSH DAI DAI. 2018 Photo by Robert Wedemeyer Courtesy of Sterling Ruby Studio

 スターリング・ルビーは1972年生まれ。光沢のあるポリウレタンやブロンズ、鋼鉄を用いた立体作品から、ドローイングやコラージュ、ふんだんに釉掛けした陶器、油彩画、写真、映像、さらにはキルト、タペストリー、衣服、ソフトスカルプチャーといった布作品まで、多様な素材や技法を駆使する。

 社会の中の暴力や圧力、美術史に関わる問題のほか、自身の過去を扱ってきたルビーが今回発表するのは、赤とオレンジと黄色、セルリアン・ブルーと緑と茶といった感情をかきたてる不調和な配色が、冷たい白、あるいは焦げたような黒の背景と組み合わされた新作。ボール紙や帯状の布からなるコラージュの上には指紋や筆跡が残り、激しい動作や厚く盛り上がった絵具使いは強迫的で不穏な感覚をもたらす。

スターリング・ルビー VERT. PROUN (6606). 2018 Photo by Robert Wedemeyer Courtesy of Sterling Ruby Studio

 なお、作品タイトルは、CRSS(cross=十字、横切る)、WIDW(window=窓)、VERT(vertical=垂直)といった略語を含む。こうしたタイトルは、画面を二分割あるいは四分割しているコラージュの要素を表すとともに、地平線、格子、旗、鉄格子、作家が繰り返し用いてきた「窓」のテーマを暗示しているという。

 ファッションデザイナーのラフ・シモンズとのコラボレーションでも注目を集めてきたルビー。その最新の動向に注目したい。

 

編集部

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