渋谷慶一郎×サー・ウェイン・マクレガー、国際舞台制作を始動。舞台美術に妹島和世を迎え、2027年の世界初演を目指す【2/2ページ】

 いっぽう、マクレガーは本プロジェクトに対して「非常にエキサイティングで光栄な取り組み」と語り、「渋谷さんの作品にはクラシック音楽に匹敵する豊かな音響的イメージがあり、身体を動かすきっかけを与えてくれる。それがダンスにとって極めて重要な要素だと感じました」と述べた。また、妹島による建築空間についても、「人の身体がその中でどのように動くかをつねに新鮮な方法で提示してくれる。今回のプロジェクトは、空間と身体の関係性を探求する絶好の機会になる」と期待を寄せた。

サー・ウェイン・マクレガー(左)

 なお、渋谷と「カンパニー・ウェイン・マクレガー」のダンサー5名による初のコラボレーション・パフォーマンスは、6月7日・8日に大阪で開催された「PRADA MODE 大阪」にて披露された。マクレガーは「協働とは直感のようなもの。渋谷さんと過ごした数日間で、すでに美しいフィーリングが生まれている。素晴らしいスタートを切ることができた」とし、今後の制作に向けた強い手応えを語った。

 今回の国際共同制作プロジェクトは、文化庁が設置する「文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター支援基金)」の助成を受けて行われ、この基金は日本の若手アーティストやクリエイターの積極的な参加も促していく予定だ。国内外の創作現場をつなぐ国際的なネットワークの形成と、次世代の育成にもつながる取り組みとなる。

 2026年には、イギリスを含むヨーロッパでの公演に関する詳細が発表される予定であり、27年の世界初演に向けて、本格的な準備がすでに進められている。ジャンルや国境を超えた連携により実現する本プロジェクトは、現代における舞台芸術の新たな可能性を切り拓く試みとして、今後も大きな注目を集めていくだろう。

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