パラリンピックポスターの5名は次のとおり。ロベルト・デ・ピント(1996〜)は、地中海の深層から浮かび上がるような身体を作品に繰り返し登場させる作家だ。その姿は、作家自身の分身ともいえる存在で、日焼けした肌や陰影を通して、皮膚そのもののエロティシズムを描き出す。

アンドレア・フォンタナーリ(1996〜)は、日常の一瞬を超写実的な眼差しで描き出す画家。その作品は、描き込みよりも引き算のアプローチによって、光と色彩の本質そのものを浮かび上がらせている。構成要素を極限までそぎ落とすことで、現実の透明な層が可視化されるような視覚体験をもたらす。

ジュリア・マンゴーニ(1991〜)はイタリアとブラジルにルーツを持つアーティスト。「帰属」と「記憶の倫理性」を中心テーマとしている。絵画というメディウムを通して、特定の地理や周縁的コミュニティに紐づくアイデンティティの再構築を試み、記憶・風景・社会的位置づけの関係性を問い直す。
