デイヴィッド・ツヴィルナーは現在、ニューヨーク・イースト69丁目にあるギャラリーにて、西村によるアメリカ初個展を6月27日まで開催している。

Courtesy David Zwirner
本展に出品されている作品群は、西村が1990年代に少年時代を過ごした故郷・神奈川県への近年の訪問から着想を得て制作されたもの。油彩とテンペラを併用した重層的な絵画は、戦後日本の前衛写真家にインスパイアされながら、アニメ、ストリートフォト、郊外の風景や都市構造など、日常的なイメージを素材としている。簡略化された半ばぼやけた形象が夢のように構成されることで、作品はグラフィックかつ洗練された構図と色彩を持ちつつ、同時に時の流れと郷愁を含んだ曖昧な記憶の空間を生み出している。

Courtesy David Zwirner
ツヴィルナーは今回の発表について次のように語っている。「娘のマーレンが西村の作品を紹介してくれたとき、私はすぐに魅了された。彼はモダニズムの厳密さと、彼自身のネオ・ロマンティシズム的感性を見事に融合させている。その筆致はジャンルを深く掘り下げつつ、極めて現代的な声を持っている。今後、彼の作品を世界中の新たな鑑賞者に紹介できることを楽しみにしている」。

Courtesy David Zwirner
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