Art Collaboration Kyoto 2025、出展ギャラリーと新プログラムを発表【2/2ページ】

 ACK独自の企画プログラム「ACK Curates」では、フェアディレクター・山下有佳子のもと、毎年異なるテーマに基づいた企画展示やトークセッション、子供向けのワークショップなど、多世代が参加可能なプログラムが展開されている。2025年のテーマは「2050 ─未来へのまなざし─」。このテーマには、「平等性と差異の認識」「長期的な時間認識」「コラボレーティブ・インテリジェンス」という3つの視点が込められており、未来を見据えた協働の在り方を探る試みとなる。

 このテーマに基づき実施される「パブリックプログラム」のキュレーションには、ドイツを拠点に国際的に活動するマーティン・ゲルマンと、日本在住でアジア各地のアーティストやインスティテューションと連携してきた木村こころが参加。「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」をキュレトリアルテーマとし、多様な視点や知の交差によって共生の可能性を探る。

 両キュレーターは、生態学の概念である「共生(シンビオーシス)」に着目し、現代アートを通じて多様なアイデンティティや記憶、価値観の重なりを提示し、京都という歴史的都市における文化的共創の場を目指す。

 さらに、若手アーティスト支援の取り組みも拡充される。2023年から継続している「Pommery Prize Kyoto」に加え、2024年にタイで設立されたオルタナティブスペース「バンコク・クンストハレ」と連携し、出展アーティストにバンコクでの滞在制作の機会を提供する新プログラム「Bangkok Collaborate Kyoto Fellowship(BCK Fellowship)」が始動する。

 そのほか、トークプログラム「ACK Talks」では、文化芸術を軸にしたコミュニティの形成と、より充実したカンファレンス機能の構築を目指す。また、子供向けプログラム「ACK Kids’ Programs」では、ガイドツアーやワークショップの実施に加え、託児サービスの提供も予定されている。

 紅葉の季節、京都という文化的な土壌と国際性が交差するこのアートフェアは、今年も多くの来場者を迎えることになりそうだ。

Exhibition Ranking

見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都