「GUCCI COSMOS」(京都市京セラ美術館)開幕レポート。広がるグッチの「宇宙」【5/5ページ】

 1947年に誕生して以来、グッチのアイコンとなっている「グッチ バンブー 1947」にフォーカスしたセクションが 「BAMBOO バンブーの世界」だ。

 竹林の映像がプロジェクションされた壁には60年代から現在までのバンブーバッグが並ぶ。これらと対面するように、横山奈美森山大道ら日本のアーティストたちがヴィンテージのバンブーバッグとコラボレーションした作品が展示。またバンブーとつながるように、井上流光の日本画《藪》(1940)が空間において大きな存在感を放つ。ここでもグッチと美術館コレクションの共演が実現している。

展示風景より、「BAMBOO」セクション
展示風景より、「BAMBOO」セクション。手前が横山奈美と森山大道による「グッチ バンブー 1947」。奥が井上流光《藪》(1940)

 展覧会の最後を締めくくるのは「RED THREADS グッチの絆」。現クリエイティブディレクター、サバト・デ・サルトの象徴的なカラーである「赤」をモチーフにした部屋で、歴史を超えて様々な赤とリンクするアイテムが並ぶ。またここは展覧会冒頭で示された「赤い糸」へとつながるもので、会場全体が円環をなし、連綿と続くグッチの歴史を体現しているとも言えるだろう。

 100年以上に渡り紡がれてきたグッチの美意識と卓越した技術。そして様々なアーティスティック・ディレクターたちが星座となり構築してきたその「コスモス」を、京都の地で体感してほしい。

展示風景より、「RED THREADS」セクション
展示風景より、「RED THREADS」セクション
展示風景より、「RED THREADS」セクション

編集部

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