ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ「Dance Floor as Study Room—したたかにたゆたう」(山口情報芸術センター[YCAM])開幕レポート【3/4ページ】

 《彼女たちの》は、2022年に東京で開催された展覧会「柔らかな舞台」では軸となっていた作品だ。女性や階級問題に強い意識を持っていた林芙美子と宮本百合子(1899〜1951)といったふたりの作家を取り上げ、それらの著書に記された生き方と理想を、現代を生きる登場人物たちが読み解くものとなっている。ここで登場したキャストの数名は前述の新作《したたかにたゆたう─前奏曲》にも再び参加しており、キャストたちの考えや活動が連綿とつながっていることも感じ取れる。

展示風景より、《彼女たちの》(2022)

 会場の中央では、リオデジャネイロで暮らすふたりの女性の邂逅を描いた《ヴェチ&デイジ》が上映されている。テレビ俳優・政治といったキャリアを両立してきたヴェチ・メンデスと、ヒップホップアーティストのデイジ・チグローナによるそれぞれの経験談からは、社会における自身の立ち位置とそこから浮かび上がるいくつかの矛盾が読み取れる。

展示風景より、《ヴェチ&デイジ》(2012)

編集部

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