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「おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館)開幕レポート。巨大美術館の新たな門出【3/5ページ】

第3章 ひらけた、みなと

 横浜では外国人向けの土産物や輸出品として、多くの絵画や工芸品がつくられた。この章では、こうした文化と文化の接触面(コンタクト・ゾーン)に生まれた品々が並ぶ。

 なかでもハイライトとなるのは、土産物としての絵画を制作する五姓田芳柳のもとに生まれた洋画家・五姓田義松や、女性が美術を学ぶ機会は長く限られていたなかで絵画を学び、大成した義松の妹・渡辺幽香の絵画だ。また、京都から横浜に移り住んで窯を構えた宮川香山による高浮彫の《高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒大香炉》(明治前期)など、横浜ゆかりの陶磁器作品も並ぶ。

展示風景より、中央は五姓田芳柳(伝)《外国人女性和装像》(制作年不詳)
展示風景より、五姓田義松《老母図》(1875)
展示風景より、渡辺幽香《幼児図》(1893)
展示風景より、宮川香山《高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒大香炉》(明治前期)

第4章 こわれた、みなと

 急速に増加した横浜の人口の多くは、輸出入関連の仕事を求めて日本各地から集まった人々で占められていた。第4章は、そんなバックグラウンドを持つ横浜二世のふたり、輸出向けの提灯を商っていました家に生まれた日本画家・今村紫紅(しこう)と、輸出陶磁器の梱包業を商う家に生まれた牛田雞村(けいそん)にフォーカスする。

 またこの章では、1923年の関東大震災による横浜への影響にも言及。中島清之の絵巻は山手の丘から見下ろした景色を描いたもので、焼け残った建物が仔細に描かれている点でも貴重な資料だ。

展示風景より、今村紫紅《平親王》(1907)、《伊達政宗》(1910)
展示風景より、中島清之《関東大震災絵巻》(1923)

編集部

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