キリスト復活の瞬間を象徴する本作は、キリストが右手に力強く十字架と縄を抱く姿を表している。よく見ると手には釘、胸の下には槍で突かれた傷跡が残っており、縄も相まって、十字架から降ろされた後であることがわかる。

イタリア館政府代表のマリオ・ヴァッターニは今回の展示について、「(復活のキリスト)を大阪にお届けすることで、日本やアジアの皆様に深い意味を持つ傑作をご鑑賞いただくとともに、イタリアの新たな旅のかたちを提案したいと考えています。美と文化を堪能しながらも、あまり知られていない本物の地域を訪れる旅です」と語っている。
極めて多彩な芸術があるローマ。そのなかからこの1点が選ばれた背景には、ミケランジェロという世界的なマエストロを紹介するだけでなく、バッサーノ・ロマーノという小さな村にもこのような秀作が秘められているということを伝えるという狙いもあったという。
美術館ではない場所で、このような長期間にわたってミケランジェロの作品が展示されるのは異例のことだ。この機会をぜひお見逃しなく。
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