とくに注目したいのが、ガンダーの「アニマトロニクス」シリーズだ。幼いガンダーの子供たちの声が使用されており、長く難解な文章をきちんと読み切る子供たちと作家のあいだに、どのような信頼とコミュニケーションがあるのかが問われている。
また、地名のつづりをそのままキャンバスに写した絵画作品は、各地で撮影した写真の整理のため、ガンダーの父親が記した手書き文字を抜き出して描かれている。家族との関係や思い出が、アートとして新たな位相を見せる。

加えて、シカやイノシシ、鳥、リスやムササビなど、多種多様な動物たちが暮らし、生態系をなしている箱根の森にも焦点を当てる。生命について、本展のためにガンダーは新たな動物を生み出し、館内の様々な場所に展開する予定だ。

- 1
- 2