「オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語」が国立西洋美術館で開催へ。オルセー印象派コレクションが約10年ぶりに大規模来日【2/3ページ】

 展覧会は4章構成。第1章「室内の肖像」は、19世紀のサロンを席巻した印象派において重要な表現手段だった肖像画を取り上げる。

 印象派は人物を日常的な環境のなかに描き出し、その人となりや社会的な属性を室内の道具立てによって表現。衣装、家具、調度品などを巧みに描写することによって、社会的なステータスを表明した。さらに家族の肖像画では家庭の親愛のみならず、近代的な家族観の発露や心理的なドラマも描き出していた。本章ではフレデリック・バジール、エドゥアール・マネクロード・モネ、ジェームズ・ティソ、ポール・マテといった画家たちの肖像画から、こうした背景を読み解いていく。また、若きエドガー・ドガの代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》(1858-1869)が日本で初めて展示される機会となる。 

エドガー・ドガ 家族の肖像(ベレッリ家) 1858-1869 キャンバスに油彩 201×249.5cm オルセー美術館、パリ (c) photo:C2RMF / Thomas Clot

 第2章「日常の情景」は、印象派たちが求めた、身の回りの生活という画題に焦点を当てる。

 印象派は家族や仲間内での奏楽会、読書、針仕事、といった楽しみや息抜きを描写したが、そこからは当時の女性たちの肖像が浮かび上がる。私的な領域といえる室内における女性の描写、さらに理想化を超えた生身の肉体に迫ったヌードなどを本章では紹介する。ここではマネ、ドガ、マネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールなどの作品を展示。

ピエール=オーギュスト・ルノワール ピアノを弾く少女たち 1892 キャンバスに油彩 116×90cm オルセー美術館、パリ (c) GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
エドゥアール・マネ ピアノを弾くマネ夫人 1868 キャンバスに油彩 38.5×46.5cm オルセー美術館、パリ (c) GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Tony Querrec / distributed by AMF

編集部

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