第3章「室内の外交と自然」は、印象派の代名詞ともいうべき戸外の自然描写が、いかに室内表現と混じり合っていったかを探る。
バルコニーやテラス、温室などは、室内空間の延長であり、室内と屋外との折衷的な存在として、都市部の邸宅でも流行した。本章ではこうした空間を画題とした絵画を展示するとともに、室内装飾における自然の要素として古くから愛されてきた花々の静物画も紹介する。本章ではベルト・モリゾ、アルベール・バルトロメ、ポール・セザンヌらの作品を展示。

第4章「印象派の装飾」は、壁面装飾として室内に自然を取り込もうとした絵画を紹介。モネの《睡蓮》に代表されるように、空間を演出するものとしても絵画は重要な役割を担った。室内装飾としての絵画のあり方に多くの興味を注いだ印象派の画家たちは、空間として室内と自然を融合させていくことを試みた。モネ、マネ、ギュスターヴ・カイユボットらの絵画から、往時の室内についての考え方を深堀りする。
