世界をつくっている「もの」を再発見。『美術手帖』4月号は「100年後の民藝」を特集

「民藝」という言葉の誕生から間もなく100年が経とうとするいま、『美術手帖』4月号は「100年後の民藝」を特集。草創期から現代までの「民藝」を、デザインや美術の視点も交えながら探求する。

『美術手帖』2019年4月号表紙

 3月7日発売の『美術手帖』4月号は、約100年前に誕生した「民藝」を特集する。

 1925年に「民衆的工芸」の略として、柳宗悦らによって提唱された「民藝」。無名のつくり手による器やかごなどの日用品に、美術品に劣らない美があることを唱え始まった「民藝運動」は、近代化や資本主義の時代へのアンチテーゼであった。同誌では、100年前に始まった「民藝」に立ち返りながら、現代も暮らしのなかに息づく「民藝」を考える。

 PART1は「民藝の現在地」。ナガオカケンメイ(D&DEPARTMENT PROJECT)、矢野直子(良品計画)、服部滋樹(graf)ら、新しい価値観やプロダクトの提案を実践するデザイナーたちの言葉を収録し、これからの民藝を考えるヒントを探る。

『美術手帖』2019年4月号より

 PART2は「民藝を知る」。「民藝の基礎知識」のほか、民藝的動向を概観する年表、研究者によるコラムを通じてその歴史を振り返る。また「アウト・オブ・民藝 民芸運動のはぐれもの」や「AROUND THE MINGEI 民藝運動と同時代の文化動向」では、民藝とその周縁にあった文化動向や学問を比較。

『美術手帖』2019年4月号より

 PART3は「これからの民藝、もの、アート」。現代においてオブジェやものの再定義を試みる梅津庸一、池田剛介、高嶋晋一+中川周の3組へのインタビューを収録するほか、キュレーター・上妻世海による誌上キュレーション、美術批評家・沢山遼による論考を掲載。

『美術手帖』2019年4月号より

 なお第2特集の「美術館コレクション」では、学芸員らによる座談会や美術館への取材から、日本の美術館コレクションの未来を探る。そのほかにも美術館・コレクション展紹介や、毛利悠子へのインタビューも掲載。

編集部

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