キュラトリアル・シンポジウム「家鳴」が開催。「見えない存在の残響」を通して、映像メディア、展覧会、地政学のもつれを探求する【2/3ページ】

 5月31日のセッション1「霊魂のテクノロジー」では、第13回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレの芸術監督を務めるアントン・ヴィドクル、ルーカス・ブラシスキス、ヘイリー・エアーズの3人による講演と上映会から始まる。さらに「交霊会(séance)としての展覧会」と呼ぶ試みでは、通常の知覚を超えた認識領域との交信を試みてきた人類の長い歴史に着目し、それがアート制作の言語と方法をいかに変容したかを概観。その後、批評家・沢山遼による応答が続き、最後にはMedia City Seoulプロジェクト・ディレクターの權辰 (クォン・ジン)と、東京都写真美術館学芸員で恵比寿映像祭・キュレーターの田坂博子がパネルトークを行う。

 6月1日はセッション2とセッション3が開催。セッション2「『自由世界』の幻想」では、パフォーマティヴな講演と学術的考察を交差させながら、20世紀半ばの東アジアにおいて、文化的かつ美的な文脈の形成がイデオロギーの断層線上にいかにして形成されてきたかに目を向ける。戦中から冷戦への移行期における児童書、知識層向け雑誌、外交資料や写真作品など、争点となるアーカイヴを再訪し、ドキュメンテーション、プロパガンダ、歴史の忘却といった互いに境界が浸透しあう領域を、異なるケーススタディーから検証。ここでは、アーティスト・李繼忠によるパフォーマンス講演や、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ(2019)韓国館キュレーター・金炫辰(キム・ヒュンジン)、台湾のキュレーター/美術史家である郭昭蘭(ゴ・ジャウラン)、アーティスト・藤井光によるパネルトークを開催。

編集部

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