今回、名和が制作したのは、自身の代表的な彫刻シリーズ「Ether(エーテル)」と、それを見上げる人物のモチーフを組み合わせた作品だ。「Ether」は滴が地面に落ちる際のシルエットを取り出し、それを上下反転させながらランダムに積み重ねることで造形されている。本作ではそのフォルムを見上げる人影を通じて、生命の連なりや自然と人間の関係性へと思考を誘うという。

なお、本作は名和とダンサー・田中泯とのコラボレーションのもと、2024 年に公開されたパフォーマンス作品《彼岸より》をきっかけに生まれた。本作の赤色は、危険を示す警告色であることともに、《彼岸より》で田中の身体を包んだ泥の色でもある。
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