2024年、カサ・バトリョは延べ190万8070人の来館者を記録し、前年比で21%増加。収益は6500万ユーロ(約108億円)、純利益は3400万ユーロ(約57億円)に達した。ファサードや中庭、3階修復に合計450万ユーロが投じられたほか、バルセロナの文化プロモーション事業には73万5000ユーロが充てられている。
来場者の出身国としては、イタリア(15%)、スペイン(14.6%)、アメリカ(14.3%)、フランス(8.3%)、イギリスが上位を占めた。とくにアジア市場での伸びが著しく、中国からの来訪者は前年比99%増、韓国75%増、日本68%増となっている。

カサ・バトリョの修復は、たんなる建築保存にとどまらず、ガウディの創造性とクラフトマンシップを次世代へ継承する文化的使命を果たすものでもある。「これはバルセロナだけでなく、世界への贈り物」とゴーティエは語る。その言葉通り、今回の修復は建築と芸術を越えた国際的な文化遺産保存の象徴的プロジェクトとなった。
