オープニング展では、同ギャラリーの理念を体現する、フランス美術史における重要な前衛運動「Supports/Surfaces」に関わったアーティストたちの作品が紹介されている。同運動は1970年代初頭、南フランスを中心に展開され、従来の絵画や展示形式への批判と実験的な実践によって注目を集めた。参加作家には、アンドレ=ピエール・アルナル、ヴァンサン・ビウレス、ルイ・カーヌ、ダニエル・ドゥズーズ、ノエル・ドラ、パトリック・セトゥール、クロード・ヴィアラらが含まれる。

Supports/Surfacesは、アメリカ主導のモダニズムに対する対抗意識を共有しつつ、政治哲学、精神分析、社会主義思想に基づいた作品制作と理論的探究を並行して行った。布、木材、ネット、染料など、従来の絵画とは異なる素材を用い、物質性や創作のプロセスそのものに焦点を当てる表現手法が特徴である。制度化された美術館・ギャラリー空間から離れ、屋外展示や自己出版なども積極的に展開した点も特筆すべき点だ。
