大阪府出身で、現在は関西と香港を拠点に活動するアーティスト・笹岡由梨子の個展「ポロニア × キュリー・マジック・ラボ ― 移動の力」が、7月5日まで大阪市中央公会堂地下1階にて開催されている。
本展は、アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート(ポーランドの文化を世界発信する国立機関)による文化イベント「Po!land ポ!ランド」の一環として開催されている。2025年の大阪・関西万博を契機に、ポーランド文化の多様な魅力をより広く紹介することを目的としている。

科学者であり母であり、そして移民としても生きたマリア・スクウォドフスカ=キュリーの人生を起点に、「移動」「記憶」「身体」「家族」「継承」といったテーマを多層的に探る試みとなっている。
笹岡は、映像と絵画の接点を探り、CGにはない筆致の痕跡や違和感を通して独自の物語世界を構築してきた作家である。本展でも、ポーランド滞在中に受けた健康診断の映像やイメージをもとに、家族とともに制作した刺繍、木版、映像作品を用い、「関係性の実験室」としてのインスタレーションを展開している。

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