「テクノロジーと人間の精神性、仏教的な世界観」
2つ目のセクション「テクノロジーと人間の精神性、仏教的な世界観」は、ルー・ヤン、ジャコルビー・サッターホワイトという、仏教を主題とするふたりのアーティストを取り上げている。
自身のアバター「DOKU」を登場させる、仏教的世界観とその精神を扱う映像作品で知られるルー。モニターのみならず、展示室全体で仏教的な世界観をつくりあげた。床には賽の河原を思わせる石が積まれ、天井からは梵字の掛け軸が垂れ下がる。その中央に鎮座する巨大なスクリーンでは酩酊的かつダンサブルな楽曲に合わせて「DOKU」が、その身体でスピリチュアルな体験を表現している。

サッターホワイトは、そのキャリアを絵画から始めた、「クィア」アーティストだ。黒人たちが工業テクノロジーに解放の力を仮託したアフロ・フューチャリズムをはじめとした、アイデンティティを示すための文化を取り入れながら、仏教における「慈悲の瞑想」を巨大なマルチメディア・インスタレーションとして表現した。

