「私たちは、旅行、避難、または移動するとき、何を持ち歩くのか?」
これは、第16回シャルジャ・ビエンナーレが問いかけた主な質問だ。
ドバイから車で約30分、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつであるシャルジャ首長国。2月6日に開幕した今年のシャルジャ・ビエンナーレは、「to carry」をテーマに、シャルジャ・シティ、アル・ハムリーヤ、アル・ダイード、カルバなど17以上の会場で、約200人のアーティストによる650点以上の作品を展示している。
シャルジャ・ビエンナーレは1993年に初めて開催され、中東地域ではもっとも長い歴史を持つビエンナーレだ。2003年の第6回から、シャルジャ首長の娘であるフール・アル・カシミが同ビエンナーレのアーティスティック・ディレクターを務めている。カシミは今年の秋に愛知県で開催される国際芸術祭「あいち2025」や、来年の「シドニー・ビエンナーレ」の芸術監督も務めるなど、昨年は『ArtReview』の「Power 100」ランキングで1位に選出され、現在アート業界でもっとも注目のひとりになっている。

Photo by Motaz Mawid