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「黒の奇跡・曜変天目の秘密」(静嘉堂@丸の内)開幕レポート。曜変天目の謎に迫る【2/3ページ】

 まず1章となる「天目のいろいろ」では、室町時代の足利将軍家に伝わる中国産の天目茶碗「唐物天目」の優品が並ぶ。当時は、これらの唐物天目から将軍家が用いるのに相応しい品々を選定するために格付を行い、「曜変」をはじめとした「油滴(ゆてき)」「建盞(けんさん)」「鼈盞(べっさん)」などの分類で整理された。ここでは、それぞれの分類やその特徴を表す作品が展示されている。

「天目のいろいろ」展示風景より。唐物天目の格付については、室町時代に相阿弥や能阿弥が記録した座敷飾りの伝書『君台観左右帳記』に記載されている
展示風景より、《油滴天目 付属 花卉文堆朱天目台》(南宋時代、重要文化財)

 2章「黒い工芸─漆黒のつやと黒鉄のかがやき」では、その名の通り「黒い工芸」として漆や黒鉄を用いた工芸の優品を紹介。例えば、古来より精製されてきた黒い漆は、油煙や松煙から発生した煤(すす)を加えて生み出されたが、近年では生漆に鉄粉を混ぜ、化学反応によって黒変させる手法が採用されている。双方の風合いの違いにも注目してほしい。

展示風景より、清水九兵衛《浪月蒔絵硯箱》(17世紀)

 また、刀剣においては茎(なかご)や鐔(つば)に見受けられる黒さびが見どころだ。酸化被膜によって発生するこのさびは鉄の内部を腐食から守る働きがあるとともに、「鉄味」と呼ばれる独特な風合いが生み出されるのだという。こちらの味わい深い「黒」も見どころだ。

展示風景より、《刀 銘 源清麿/弘化丁未年八月日 附 小倉巻柄半太刀拵》(1847、重要美術品/拵: 19-20世紀)
展示風景より、石黒是美《花鳥図大小鐔・三所物》(19世紀)

編集部

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