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アニカ・イが描く「もう一種の進化」。北京のUCCAで探るAI、技術と感覚の未来【3/3ページ】

 そのほか、《Feeling is a Skill》では、コンブチャ「レザー」が使われており、これは砂糖と紅茶を発酵させる際に微生物によって生成される透明なセルロース素材である。《Le Pain Symbiotique》は腸内細菌叢の複雑さを探求する没入型の作品であり、鑑賞者は、ピザ生地で満たされた大きな透明なPVC構造を巡りながら、内部で展開される微生物活動を観察することができる。「Quarantine Tents」シリーズの作品は、2014年から16年にかけて西アフリカで発生したエボラ出血熱に関連する恐怖や偏見に触れたものである。鑑賞者は、作品の内部を覗き見ることができると同時に、隔絶感も味わうことができる。社会が病気に苦しむ人々をどう扱い、死に対する好奇心を持って観察しながらも疎外感を抱く様子を反映している。

展示風景より、左は《Feeling is a Skill》
展示風景より、《Le Pain Symbiotique》
展示風景より、「Quarantine Tents」シリーズ

 エリーイは、「異なる都市、国、観客のもとで作品を展示することは、アニカにとってつねにエキサイティングなことだ。そこでは、アーティストとしての自分を、作品という対象物を通して、自分以外の様々な力に無防備にさらすことができる。これは、私たち全員が、互いに、そして人類の技術水準と直接的に比較されることを求められているこの時代に、世界をどのようにして進んでいくべきかを考えるうえで、非常に興味深い方法を提供していると思う」と述べている。

 また、本展を通じて鑑賞者に伝えたいメッセージについて尋ねると、エリーイは「良いアートには決してひとつの特定の主題やメッセージが含まれているわけではない」としつつ、次のように話した。「アニカはこう言うでしょう、『他者を恐れないでください。それが生物学的な他者であれ、機械的な他者であれ、私たちは自分たちでないものと友達になる方法を見つけなければならない』と」。

展示風景より、「Radiolaria」シリーズ

編集部

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