「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」見どころレポート【9/14ページ】

プシュパマラ・N「Dressing Up:プシュパマラ N」(京都文化博物館 別館)Presented by CHANEL Nexus Hall

 インド出身でバンガロールを拠点とするプシュパマラ・Nは、彫刻の教育を受け、90年代半ばから写真に取り組み始めた。その作品は、様々な役柄に扮して示唆に富んだ物語をつくり上げるフォト・パフォーマンスやステージド・フォトであり、女性像の構築や国民国家の枠組みといったテーマにユーモアやアイロニーを加え、プシュパマラ・Nが言うところの「感動的な作品」へと仕上げている

展示風景より、「The Arrival of Vasco da Gama」(2014)

 京都文化博物館 別館を舞台とする日本初個展となる本展では、スタジオでつくられた作品群を展示。

 ヴェローゾ・サルガドが1898年に描いた絵画をもとに、ポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマと、インド南西部の沿岸にあるカリカットの王の両者を体現することでオリエンタリズム作品を再解釈するシリーズ「The Arrival of Vasco da Gama」(2014)では、作品に使用された背景や小道具なども写真と共に展示。

 このほか、インドの起源神話とされる「ラーマーヤナ」を再解釈した「Avega〜The Passion」(2012)や、変容する国家のなかで歴史的表現や文化的理想を探求する現在進行形のシリーズ「Mother India」(2005〜)も並ぶ。

展示風景より、「Mother India」(2005〜)

 なお、6月には東京のシャネル・ネクサス・ホールでもプシュパマラ・Nの個展が開催。異なるシリーズが展示される予定だ。

編集部

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