• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • ジブリ映画『もののけ姫』のタピスリーが示すものとは? 大阪・…

ジブリ映画『もののけ姫』のタピスリーが示すものとは? 大阪・関西万博のフランス館に登場【3/3ページ】

 今回のコラボレーションについて、スタジオジブリの執行役員で、海外事業を担当する西岡純一は次のように語る。「オービュッソン国際タピスリーセンターよりオファーを受けたのち、その実績やものづくりの素晴らしさを拝見し、パートナーシップを結ぶに至った。パビリオン内でタピスリーを拝見したが、その精巧さに驚かされるとともに、人間の手仕事ならではのパワーや情熱が加わっているように感じた。アニメーション作品において、映像フィルムを残していくことは、現在の技術ではまだ難しいこと。しかし、数百年先にも受け継ぐことができる『織物』として残すことは、もしかすると意義があることなのかもしれない。スタジオジブリの作品がこのようなかたちで未来へ伝えられることを嬉しく思うし、オービュッソンの皆様に感謝を申し上げたい」。

 また、フランス館の総監督を務めるジャック・メールは、同館におけるこのプロジェクトの意義について次のように語った。「アーティスティックなパビリオンにしたいと考えていたなかで、当初より展示することが決まっていた作品がこのタピスリーだ。マッピングでもAIが創り出したものでもない、むしろ逆を行く存在として、それは来場者にいったい何を語りかけるのか。また、人間、動物、自然が描かれたこのシーンは、人間の行為によって変更される現状を考えさせられるものでもある」。

会場風景より 撮影=筆者
左から、クリステル・シャサーニュ(ヌーヴェル・アキテーヌ地方観光局会長)、ヴァレリー・シモネ(オービュッソン国際タピスリーセンター会長)、エマニュエル・ジェラール(同センター館長)、西岡純一(株式会社スタジオジブリ)、ローラン・コルベル(ラスコー国際壁画美術センター副館長)、サンドリーヌ・ムシェ(在京都フランス総領事)

 このタピスリープロジェクトでは、すでに『風の谷のナウシカ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』を題材とした作品が完成しており、現在は『となりのトトロ』のワンシーンを鋭意制作中とのこと。なお、愛知県立美術館では、愛知万博20周年記念事業 特別展示として、このうちの『千と千尋の神隠し』のタピスリーが展示されているため、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

「ハウルの恐れ」《La Peur de Hauru》
タピスリー(映画『ハウルの動く城』の一場面より)
© 2004 Diana Wynne Jones / Hayao Miyazaki / Studio Ghibli, NDDMT
製織:Atelier Tapisserie Guillot(オービュッソン、2023)
© 2023 Cité internationale de la tapisserieコレクション
© Photo: Studio Nicolas Roger
「カオナシの宴」《Le Banquet du Sans visage》
タピスリー(映画『千と千尋の神隠し』の一場面より)
© 2001 Hayao Miyazaki / Studio Ghibli, NDDTM
製織:Manufacture Robert Four(オービュッソン、2023)
© 2023 Cité internationale de la tapisserie コレクション
© Photo: Studio Nicolas Roger
「メイとトトロのお昼寝」《La Sieste de Mei et Totoro》
カーペット下絵(映画『となりのトトロ』の一場面より)
© 1988 Hayao Miyazaki / Studio Ghibli
© 2024 Cité internationale de la tapisserie コレクション
© Photo: Studio Nicolas Roger

Exhibition Ranking

見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都

木梨銀士「Flux」

2023.02.02 - 02.17
GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE
丸の内 - 銀座|東京

非常の常

2025.06.27 - 10.04
国立国際美術館
大阪

Dressing Up: Pushpamala N

2025.06.26 - 08.16
シャネル・ネクサス・ホール
丸の内 - 銀座|東京