なかでも本展の中心的な存在となるのが、会場中心にあるスマートフォンを模した巨大な立体作品《Ask Anything》(2025)だ。
AIとの対話がすでに日常となった現代。しかしなんらかの原因によって電気がダウンしてしまえば、AIもスマートフォンも使うことはできなくなる。そうしたデジタルツールへの依存、あるいは「すぐに答えを得ることができる状況」への依存を見つめ直すことを、モノリスのような本作は問いかけている。

コロナ禍の前にコロナ禍を想像できなかったように、これから先に起こるかもしれない厄災を想像することは難しい。しかし本展は、あえて「太陽フレア以降」という設定をつくることで、「そのときどうするべなのか」という問いを考えるひとつのきっかけを提示するものだ。