
芸術形式としてのゲームの現在地とは? 葛西祝評「GEIDAI GAMES 02」展
企業や海外の大学とも協働し「表現としてのゲーム」が研究・制作される東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコースによる、成果展示が開催された。VRを用いた実験的な作品などが発表された本展を、ヴィデオゲームについて執筆や批評を手掛ける葛西祝がレビューする。
企業や海外の大学とも協働し「表現としてのゲーム」が研究・制作される東京藝術大学大学院映像研究科ゲームコースによる、成果展示が開催された。VRを用いた実験的な作品などが発表された本展を、ヴィデオゲームについて執筆や批評を手掛ける葛西祝がレビューする。
「聴く」という行為を通して、世界と関わる実践を芸術作品によって紹介する展覧会「聴く─共鳴する世界」がアーツ前橋にて開催された。同時開催された「場所の記憶 想起する力」展や過去の同館の取り組みなどとも反響しあう本展の試みを、キュレーターの飯岡陸がレビューする。
具体美術協会での活動でも知られる美術家の今井祝雄がアート・ディレクションを務める「文字模似言葉(もじもじことのは)」展が、ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀)で開催中だ。現代の情報社会において、文字や言葉のあり様を再検討する本展について、滋賀県立美術館学芸員の荒井保洋が論じる。
福岡の美術の系譜のなかで特異な存在感を放つ前衛美術グループ「ソシエテ・イルフ」。その約30年ぶりとなる回顧展として、福岡市美術館では、イルフの視覚表現の広がりを感じさせる写真作品や絵画、そして各メンバーが作品を寄せたカメラ雑誌などの関連資料が一堂に会した。「イルフ」は何を目指して前進し、歩みを止めたのか。本展をインディペンデントキュレーターの長谷川新がレビューする。
美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、3月に公開された全16本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。
東京・馬喰横山のgallery αMにて、インディペンデント・キュレーターの長谷川新をゲストキュレーターに迎えたプロジェクト「約束の凝集」の第3回として、黑田菜月の個展「写真が始まる」が開催中だ。写真を媒介として展開される2つの映像作品が発表された本展を、文化研究者の山本浩貴がレビューする。
北海道オホーツク海など、自然環境のフィールドレコーディングを中心とする作品制作を行う上村洋一。キュラトリアル実践を通して近年の新しいエコロジー観と現代美術の関係性を研究し、作品制作も行う黒沢聖覇。トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)の企画公募プログラム「OPEN SITE」では、新たな環境観を志向する2人の共同制作プロジェクトとして「冷たき熱帯、熱き流氷」展を開催した。上村は知床半島、黒沢はアマゾン熱帯雨林と、対照的な極点へ赴いた経験から生み出された本展について、自身もアマゾン熱帯雨林での調査経験を持つ映像作家、文化人類学者の太田光海が論じる。
人間の身体や知覚と時間の関係について考察する作品を制作する大和田俊。その個展「破裂 OK ひろがり」が、栃木県の小山市立車屋美術館で開催された。体内の破裂音が響く展示空間や、風景のなかに突如現れる「ポンプ小屋」で展示された作品《Unearth》において、音の「必然性」はどのように提示されたのか。現代フランス哲学、 芸術学、映像論を専門とする福尾匠がレビューする。
ヴェネチア・ビエンナーレ、ドクメンタ13などの大型国際展に招待されてきた韓国のアーティスト、梁慧圭(ヤン・ヘギュ)。その大規模な個展「O₂ & H₂O」が韓国国立現代美術館ソウル館で開催された。無形の経験や感覚をアートの抽象的な言語で置換する本展で、作家はどのような問いを投げているのか? 韓国西江大学トランスナショナル人文研究所研究教授の李庸宇が考察する(*1)。
同時代に活躍する作家を紹介するプログラムとして、2016年より埼玉県立近代美術館で企画される「アーティスト・プロジェクト」。その5回目の個展に選ばれたスクリプカリウ落合安奈は、リサーチをベースに、土地に遺る記憶や信仰などをテーマに、異なる時空間にあるものを結びつける作品を手がける。近作4点で構成された小展について、ANB Tokyoディレクターでキュレーターの山峰潤也がレビューする。
伊豆市にて、同地の地質的特徴や歴史に向き合うプロジェクト「Cliff Edge Project 躍動する山河」が開催された。遺跡や神社など象徴的な場を舞台に展開されたこの展覧会を、愛知県美術館学芸員の副田一穂がレビューする。
東京都現代美術館にて1999年より、日本の若手作家によるテーマ展として毎年開催される「MOTアニュアル」。第16回を迎える今回は「透明な力たち」をテーマに、バイオ・アートやソフトウェア・アート、インタラクティブ性や参加型を含むプロジェクトなど、社会や自然のなかの不可視なエネルギーをモチーフとする作品で構成。時代の一側面を切り取ってきた同企画の試みを、キュレーターの内海潤也がレビューする。
本展は、滋賀県・比叡山の中腹に位置するシェアスタジオ「山中suplex」にて2020年11〜12月に開催された。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、鑑賞者を車から降ろさず、感染対策を徹底したドライブイン形式を採用。日没後のみに展開される車中からの鑑賞は、どのような目論見を備えているのか? 愛知県美術館学芸員・中村史子が論じる。
本展は、デザイナー/研究者のミンディ・セウとニューミュージアムの共同によって開催されているオンライン展覧会。1990年以降のサイバーフェミニズムのプロジェクト、ソース、参考文献をひとつのサイト上に収集・引用し、展示する。昨今のオンライン展覧会・アーカイヴにおいて、われわれはどのような態度が必要とされるのか。本展を通し、アーティストの布施琳太郎が論じる。
「投票」を軸とする広範なリサーチをもとに、表象や制度をめぐる政治性を考察してきた良知暁。その約10年ぶりとなる個展がspace dikeにて開催された。ある一節を起点とした本展の試みを、キュレーターの飯岡陸がひもとく。
2017年の結成以来、若手美術家たちによる実験的な活動を展開してきたコレクティブ「カタルシスの岸辺」。「マテリアルショップ」を自称する彼らが昨年、東京・神宮前のEUKARYOTEで行った実店舗プロジェクト「光光DEPO」から見えたその本質とは何か? 小田原のどかがレビューする。
アーティストの山内祥太は、VRや3DCGなどの映像技術と自身の身体イメージ、粘土彫刻を組み合わせながら独自の表現を展開してきた。新作個展「第二のテクスチュア(感触)」では、マンガ家・諸星大二郎の「カオカオ様が通る」から影響を受けて書き起こしたという、顔にまつわる短編物語をもとにしたインスタレーションを披露。作家の新展開を予感させた本展を、評論家のgnckがレビューする。
美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、2月に公開された全7本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。
身の回りにある物事や現象を掬い取り、絵画空間に再構築する諏訪未知。KAYOKOYUKIにて開催された個展「3つの世界」で展開された、統一されたフォーマットによる抽象絵画の作品世界を、美術批評家の中島水緒がレビューする。
東武博物館にて企画写真展「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」が2020年9月から11月に開催された。東武鉄道の社内報に掲載するために撮影された写真を中心に、東武鉄道沿線の風景や風俗、人々の暮らしをとらえた60点を展示。その展示スタイルからみえた展覧会のそのもののあり方を、インディペンデント・キュレーターの若山満大が考察する。