「春の江戸絵画まつり 司馬江漢と亜欧堂田善 かっこいい油絵」(府中市美術館)

東京・府中の府中市美術館で「春の江戸絵画まつり 司馬江漢と亜欧堂田善 かっこいい油絵」が5月11日まで開催されている。
油絵といえば「西洋のもの」というイメージがあるが、江戸時代の日本でもオランダや中国を通じて、少ないながらも油絵が輸入され、それをまねて描く画家がいた。その代表的な画家が、司馬江漢(1747〜1818)と亜欧堂田善(1748〜1822)だ。ただし、ふたりの油絵はよく知る油絵とは異なる。荏胡麻の油などを使って自分で調合した絵具で、日本で古くから使われてきた薄くて繊細な絵絹に描いているので、滑らかでさらりとして、明朗かつ落ち着きのある色をしている。
府中市美術館では様々な展覧会でふたりの油絵を紹介してきたが、鑑賞者からよく聞こえてきたのが「かっこいい」という言葉だったという。本展では、油絵だけでなく銅版画や、墨や在来の絵具を使った作品も紹介している。そしてふたりの生い立ち、画家としての立場や環境の違い、目指すものの違いにも注目。科学者であり文人でもあった司馬と、幕府老中もつとめた白河藩主松平定信のもとで黙々と技術を極めた亜欧堂。ふたりの違いが作品にどう表れているかも、大きな見所となっている。
会期:[前期]2025年3月15日~4月13日、[後期]2025年4月15日~5月11日
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3(都立府中の森公園内)
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(入場は入場の30分前まで)
観覧料:一般 800円 / 高校・大学生 400円 / 小・中学生 200円 / 未就学児 無料
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2025」(京都市内各所)

今年で第13回を迎える日本最大の写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」が5月11日まで開催されている。本企画のメインプログラムには、14組のアーティストの参加が決定しており、京都市内の14会場で14のプログラムを開催する。会場は、寺院や京都を象徴する名所、現代的な空間に加え、今年は京都駅での写真壁画というユニークな企画もある。見どころのレポートはこちら。
2025年は「HUMANITY」をテーマに、戦争、ジェンダー、アイデンティティ、感情、コミュニティ、つながり、自然、痛み、愛といった様々な視点から探求した展覧会を開催。また、追加発表として、YOTOGRAPHIEがキュレーションする土田ヒロミらによるグループ展では、2025年に考えるべき問題を提示する展示を八竹庵(旧川崎家住宅)にて行う。
参加アーティストは、アダム・ルハナ、イーモン・ドイル、エリック・ポワトヴァン、グラシエラ・イトゥルビデ、劉星佑(リュウ・セイユウ)、JR、甲斐啓二郎、レティシア・キイ、リー・シュルマン&オマー・ヴィクター・ディオプ、石川真生、マーティン・パー、ブシュパマラ・N、?田多麻希、土田ヒロミほか。
会期:2025年4月12日~5月11日
会場:京都市内16会場
観覧料:(パスポートチケット)一般 6000円 / 学生 3000円※詳しくは公式ウェブサイトを要確認