ふくやま美術館では、「後山山荘(旧・藹然荘)の100 年とその次へ|福山が生んだ建築家・藤井厚二」が開催される。「藹然荘」は、福山の豪商「くろがねや」12 代当主・藤井与一右衛門が鞆の浦に構えた別邸だが、1932年頃に弟子の藤井厚ニが自邸「聴竹居」の写しといえるサンルームを増築した。しかしその後長らく人々に忘れられ、一時は崩壊した姿で見つかったが、現在「後山山荘」(改修· 設計/前田圭介)の名で再生されている。本展では福山が生んだ建築家・藤井厚二の建築に焦点を当てたものとなる。

建築家・長坂常が、尾道で一目惚れした空き家を自ら購入しリノベーション、新たな文化交流拠点として再生させた「LLOVE HOUSE ONOMICHI(ラヴ・ハウス・オノミチ)」を公開する「OPEN LLOVE HOUSE|尾道『半建築』展」も開催される。長坂が率いる建築設計事務所、スキーマ建築計画が今年で設立から27 年を迎えることを記念し、OBOGと現スタッフ約40 名が自身の携わったプロジェクトや現在の活動を報告する展示となる。

まちなか文化交流館「Bank」では、写真家・高野ユリカによる「うつすからだと、うつしの建築」が開催される。国宝や重要文化財に指定されている古建築から、最新の現代建築までが街なかに溶け込む尾道で、「うつし」の建築に焦点を当てて写し出す作品が展示される。
