土門拳写真美術館が「東松照明と土門拳―語りつぐ写真―」を開催。新ロゴマークも発表【2/3ページ】

 「東松照明と土門拳―語りつぐ写真―」は東松照明(1930〜2012)と土門拳の二人展となる。両者はともに20世紀の日本写真界を牽引した写真家だ。戦前に報道写真家として出発した土門、戦後に活動を始めた東松では、やや世代が異なるものの、少なからぬ接点を持っていた。

土門拳 原爆ドーム 1957

 1950年代初頭、土門は写真雑誌のコンテスト審査員を務める中で独自のリアリズム写真運動を展開し、大きなムーブメントを巻き起こした。当時大学生だった東松もこのコンテストにしばしば入賞し、土門から高い評価を得ていた。

東松照明 チューインガムとチョコレート 横須賀 1959
土門拳 路傍 銀座 1954

 その後の東松は、土門の師でもある写真家・編集者、名取洋之助が立ち上げた『岩波写真文庫』のスタッフを経て独立し、敗戦後の日本の社会状況を題材にした「占領」シリーズなどを発表。そして1961年には土門らとの共作による写真集『Hiroshima-Nagasaki Document 1961』で長崎の撮影を担当し、土門の広島の写真とともに、原爆に関する強烈なメッセージを提示した。

土門拳 入院生活 『ヒロシマ』より 1957
東松照明 熱線とその後の火災で溶解変形した瓶 長崎 1961

編集部

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京都