国際芸術祭「あいち2025」、プログラム全体概要を発表【2/4ページ】

 瀬戸市内では、元温泉施設や商店、小学校など地域の建物を活用した展示が行われる。アル・カシミは、「今回、瀬戸市では街全体を会場とし、来場者の皆さまが町を歩きながら、様々な場所でアーティストの作品に出会えるような構成としている」と述べている。

 佐々木類は、ガラスと植物を用いた繊細なインスタレーションを旧温泉施設で発表。沖潤子は、刺繍を通して母との記憶や戦争体験に向き合う作品を無風庵にて展示予定。マイケル・ラコウィッツは、歴史的建造物への関心を反映したインスタレーションを梅村商店にて展開する。

佐々木類 植物の記憶:Subtle Intimacy (2012-2022) 2022
Photo by Yasushi Ichikawa
沖潤子 anthology 2023
FUJI TEXTILE WEEK, Photo by Kenryou Gu
マイケル・ラコウィッツ The invisible enemy should not exist (Lamassu of Nineveh) 2018
Photo by Gautier DeBlonde © Courtesy of the Mayor of London

 瀬戸市美術館では、メキシコ出身のミネルバ・クエバスによる壁画作品が展示されるほか、美術館前の噴水エリアには、シェイハ・アル・マズローによる屋外インスタレーションが設置される予定だ。

ミネルバ・クエバス The Trust 2023
Courtesy of Kurimanzutto Mexico, New York
シャイハ・アル・マズロー Accordion Structure 2022

 瀬戸市新世紀工芸館では、チュニジアに伝わる女性による伝統的な人形文化をテーマに、セルマ&ソフィアン・ウィスィによる作品が展示。また、漫画家panpanyaは、瀬戸を題材としたオリジナル漫画を制作し、松千代館で展示を行う。そのほか、瀬戸市内のポップアップスペースでは、冨安由真によるインスタレーションが展開され、旧瀬戸市立深川小学校では、アドリアン・ビシャル・ロハスが先史時代から未来に至る時間軸を通して歴史と記憶を再考するインスタレーションを発表する。

panpanya 「家の家」(7/8ページ)単行本『商店街のあゆみ』 2022
所収
冨安由真 The Doom 2021
撮影=西野正将 Courtesy of Art Front Gallery

 さらに、加仙鉱山株式会社の協力により、実際の鉱山施設を会場として使用する試みも行われる。オーストラリア出身でアボリジニのルーツを持つロバート・アンドリューが、鉱山や土地の歴史に根ざした作品を展開する予定となっている。

ロバート・アンドリュー Presence 2019
Installation view: ‘Presence’ IMA Belltower. Courtesy of the artist and Milani Gallery, Brisbane

編集部

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