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揺れる国際情勢下、2025年北京アートウィークが映し出す市場のリアル【3/4ページ】

選別の時代に再始動した「ART021 Beijing」

 同時期、798・751芸術区に位置する旧貯油タンクを改装した会場では、「ART021 Beijing」が開催された。旧称「JINGART」からリブランディングを経て再出発した今年のフェアには、11の国と地域から約50軒のギャラリーが出展。北京のアートシーンに新たな彩りを添えた。

ART021 Beijingの会場風景より
ART021 Beijingの会場風景より

 2013年に上海で創設され、今年ニューヨークにも常設スペースを構えたギャラリー・BANKは、米中間の貿易摩擦により輸送や展示スケジュールに影響を受けたものの、上海とニューヨークの2拠点体制を活かして活動を継続。現在はアメリカでアジア系アメリカ人アーティストの個展に注力しており、今後も地域に根ざしたプログラムを展開していくという。

ART021 Beijingの会場風景より、BANKのブース

 同ギャラリーのスポークスパーソンはまた、「市場の過熱感は落ち着きつつあり、アートを本気で長期的に取り組もうとするギャラリーが残っていくフェーズに入っている」と現状を分析。「いまはまさに取捨選択の時代」とも語った。

 東京のMJK Galleryは、昨年に続きART021 Beijingに出展。今回は黒宮菜菜や西村大樹といった若手日本人アーティストの作品を紹介した。共同創設者の孫亜君(ソン・アクン)によれば、昨年出展した土井沙織による動物をモチーフにした作品がコレクターから高い関心を集め、とくに一部の作品が6000〜7000元(約12〜14万円)という価格設定に驚きの声も多かったという。

ART021 Beijingの会場風景より、MJK Galleryのブース

「現在の中国市場では、価格が手頃な作品に対するニーズが明らかに高まっている」と孫は分析。米中の関税問題については「日本には直接的な影響は少ない」としつつも、「むしろこうした状況だからこそ、日本のギャラリーが中国市場に挑戦する好機だ」と前向きな姿勢を示した。

ART021 Beijingの会場風景より

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