会場は11つのチャプターで構成されるものの、順路はとくに決められていないため自由に巡ることが可能だ。まずチャプター1「士郎正宗の創造の軌跡」では、これまでの士郎の活動を、作品と本人によるコメントとともに一覧にしている。チャプター2「士郎正宗の描き方」では、士郎が原稿作業の際に使用している手製の道具や、それらと画材をどのように用いて作画を行っているのかがわかる事例を紹介している。


チャプター3から6では、士郎の代表作である『アップルシード』『ドミニオン』『攻殻機動隊』『仙術超攻殻オリオン』から、貴重な原稿が数多く展示されている。
ここでとくに注目したいのは、士郎がアナログ原稿作業時代から意識していたという「(作業途中に)セーブポイントをつくる」行為だ。作業工程のなかで消されてしまう最終ラフや作業途中ラフのコピー、上から絵の具で着色された主線の原稿のコピーなど、通常見ることができない「裏側の仕事」が今回の展覧会では見ることが可能となっている。




