新作は家族の肖像画
横尾は約60年にわたり、ひとつの完成形にはとどまることなく、つねに変貌と挑戦を繰り返してきた。本展のテーマである「未完」は、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾の美学に基づくものだ。
本展のキュレーションは美術評論家・南雄介。「Y字路」シリーズを含む、「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に約30点が並ぶ。

このうち初公開となるのが、家族の肖像画像6点だ。自画像や家族などが、近年横尾が取り組む「朦朧体」で描かれており、家族や自分といった存在の「わからなさ」が表現されている。

