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「横尾忠則 連画の河」(世田谷美術館)開幕レポート。「絵を描くことにはとっくの昔に飽きている」【2/4ページ】

 テーマを設けずに描くとはどういうことか。その発端となったのは、1970年に横尾が故郷の西脇で同級生たちとともに収まる篠山紀信が撮影した1枚の記念写真だという。この写真は、その22年後に出版された写真集『横尾忠則 記憶の遠近術』(講談社、1992)に収録されており、この写真にインスピレーションを得て、横尾は1994年に《記憶の鎮魂歌》を制作。本展はこの作品からスタートしている。

展示風景より、《記憶の鎮魂歌》(1994) 横尾忠則現代美術館蔵
展示風景より、篠山紀信写真『横尾忠則 記憶の遠近術』(1992)

 《記憶の鎮魂歌》に続く150号の新作64点には、先ほどのイメージを端緒として、まったく異なるグループの記念写真の絵画が並ぶ。いままでの横尾絵画と比較しても、軽やかな筆致で描かれているのも特徴的だ。

 絵のなかに描かれた人々は次第に形を変え、イカダに乗り、川を下るようなイメージへとゆるやかに変化していく。この連画にシナリオはなく、いままでのイメージと横尾がその日に触れた情報が絵に反映されることで生み出されているようだ。会場構成も、この流れを損なわないようあえて章立てを設けていないという。

展示風景より
展示風景より、手前は《連画の河を渡る1》(2023)

編集部

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