第4章「優雅なる日本の書」では、漢字文化を取り入れつつ発展した日本の書の世界を紹介。平安時代に隆盛を極めた「和様」の書や、優美な仮名文字による「高野切」など、書に宿る美意識を堪能できる構成である。第5章「和と漢」では、やまと絵による肖像画や、足利将軍家に仕えた絵師たちの水墨画、さらには中国から渡来した唐物の絵画などが並び、中世日本における書画文化の多様性と洗練を示している。


第6章「サムライ・アート」では、刀剣や甲冑をはじめとする武士の美意識が凝縮された品々が紹介。とりわけ《黒韋威胴丸》(広島・嚴島神社蔵、4月26日~5月18日)は、南北朝時代以前の遺品として非常に希少な作例であり、日本の職人技と武士道精神の象徴とも言える。

