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特別展「日本国宝展」(大阪市立美術館)開幕レポート。135件の国宝でたどる日本美術の系譜【4/4ページ】

 続く第2部「おおさかゆかりの国宝―大阪の歴史と文化」では、古代より東アジアとの交易の要衝であった大阪の文化的背景に着目する。聖徳太子ゆかりの四天王寺所蔵の《七星剣》《丙子椒林剣》や、道明寺の本尊《十一面観音立像》、道明寺天満宮蔵の《伝菅公遺品》(いずれも通期展示)など、大阪ゆかりの国宝を通じて、地域に根差した宗教・政治・文化の厚みを浮き彫りにしている。

「おおさかゆかりの国宝―大阪の歴史と文化」の展示風景より、右は《伝菅公遺品のうち高士弾琴鏡、牙笏、白磁円硯》(中国・唐時代/平安時代/9世紀、大阪・道明寺天満宮)
「おおさかゆかりの国宝―大阪の歴史と文化」の展示風景より、《薬師如来坐像》(平安時代/9世紀、大阪・獅子窟寺)

 また、特集展示「皇居三の丸尚蔵館収蔵品にみる万博の時代」では、1900年パリ万博や明治期の内国勧業博覧会に出品された品々が紹介され、万博というグローバルな舞台で日本美術が果たした役割に光を当てる。さらに、映像体験コーナーでは、長谷川等伯一門による《桜図》《楓図》(智積院蔵)をCGで復元。失われた襖絵を含む障壁画を実寸に近いスケールで体感できる仕掛けとなっている。

 本展は、大阪で初めて開催される大規模な国宝展であり、同市の歴史的・文化的資源の豊かさとともに、日本美術の魅力をあらためて広く伝える重要な機会となっている。展示替え情報などに注意しながら、会期中何度でも足を運びたくなる展覧会だ。

「祈りのかたち」(第3会場)の展示風景より、《聖観音菩薩立像》(白鳳時代/7世紀後半~8世紀初、奈良・薬師寺)
「祈りのかたち」(第3会場)の展示風景より、《四天王立像のうち持国天立像》(平安時代/12世紀、京都・浄瑠璃寺)

編集部

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