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「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」(ポーラ美術館)レポート。ゴッホは後世に何をもたらしたのか?

箱根のポーラ美術館で、同館開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホをテーマとした展覧会「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」展が開催中だ。

文・撮影(*以外)=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

展示風景より、森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホの部屋を訪れる)》(2016/2025)、《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》(2016/2018)

 今年から来年にかけて、日本ではフィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)をテーマにした大規模展覧会がいくつか開催される。そのなかのひとつが、箱根のポーラ美術館で始まった「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」だ。本展は、ゴッホの油彩画を所蔵している同館にとって、開館以来初めてのゴッホをテーマとした展覧会となっている。

 わずか37年の生涯のなかで、数多くの絵画を制作したゴッホ。日本でも明治末期以降、個性と情熱にあふれたゴッホの作品や芸術に一生を捧げたその生き方は、美術に関わる者たちの心を揺さぶるだけではなく、文化、そして社会といった広範な領域にインパクトを与えてきた。本展は、ゴッホの作品を紹介するだけでなく、彼が芸術家たちに与えた影響の歴史を振り返るとともに、現代を生きるわたしたちにとって、ゴッホがいかなる価値を持ち得るのかを検証するものだ。

*Photo: Ken Kato
展示風景より

 展示冒頭では、ポーラ美術館が所蔵する、アルル時代の風景画《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)、サン=レミ時代に身近な自然をとらえた《草むら》(1889)、そしてオーヴェール時代の静物画《アザミの花》(1890)などが出品。オランダ、パリ、サン=レミ=ド=プロヴァンス、そしてオーヴェール=シュル=オワーズに関連する作品を展示することで、ゴッホの足跡をコンパクトにたどることが可能だ。

展示風景より、フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)

編集部

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