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「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」(ポーラ美術館)レポート。ゴッホは後世に何をもたらしたのか?
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 ゴッホの《薔薇》(1890)を翻案したのは福田美蘭だ。2011年に国立新美術館で同作を見た福田は、その2年前に父親を亡くしたときに届いた花を想起したという。《冬-供花》(2012)は、福田が撮影した花籠の写真に基づいて制作された大作であり、東日本大震災の犠牲者への哀悼を表するものでもある。

展示風景より、福田美蘭《冬-供花》(2012)
展示風景より、福田美蘭《ゴッホをもっとゴッホらしくするには》(2002)

 桑久保徹は、美術史における巨匠を取り上げて、想像上のアトリエを描き出す「カレンダーシリーズ」のなかのひとつとして、《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》(2015)を手がけた。これまで見てきた展示を振り返りつつ、巨大な画面に散りばめられた様々な要素をじっくり鑑賞してほしい。

展示風景より、桑久保徹《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》(2015)

 そしてフィオナ・タンの《アセント》(2016)は富士山とひまわりをテーマにした映像作品。日本に憧れを抱いていたゴッホと、タンの西洋から日本への眼差しが時を超えてリンクする。

展示風景より、フィオナ・タン《アセント》(2016)
*Photo: Ken Kato
展示風景より、フィオナ・タン《アセント》(2016)
*Photo: Ken Kato

 ゴッホの回顧展はこれまでも様々なかたちで行われてきたが、本展は美術史の流れのなかで、ゴッホとその影響をあらためて振り返る好機となっている。

編集部

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