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「ゴッホ・インパクト─生成する情熱」(ポーラ美術館)レポート。ゴッホは後世に何をもたらしたのか?
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 2章以降はゴッホの影響を紹介するものとなる。2章では、ゴッホの影響を直接的に受容した最初の美術についての動向として、フォーヴィスムの画家たちの作品や、ドイツ表現主義の運動のなかで最初に結成された「ブリュッケ(橋)」の芸術家たちの作品が並ぶ。

展示風景より、手前はアルベール・マルケ《冬の太陽、パリ》(1904)

 明治末期になると、ゴッホの影響は日本の作家たちにも波及することになる。当時、画家たちは実物ではなく『白樺』などの複製図版を参照し、ゴッホの画風を取り入れた作品を制作した。とりわけ岸田劉生や萬鐵五郎、木村荘八、川上涼花、鈴木金平、小林徳三郎らの作品からは、ゴッホからの強い影響を見てとることができるだろう。

展示風景より、岸田劉生《自画像》(1912)
展示風景より、手前は木村荘八《祖母と猫》(1912)

 大正時代には、多くの日本人がゴッホ巡礼を行うようになる。その目的は、ゴッホの作品をまとめて鑑賞できる数少ない場所であったパリ郊外のオーヴェールにあるガシェ家の邸宅だ。ここには1922年から39年までのあいだに240名以上の日本人が訪問したという。4章には、その巡礼を行なった最初期の日本人画家・里見勝蔵と、里見を介してゴッホ巡礼した前田寛治や佐伯祐三の作品が並ぶ。

展示風景より
展示風景より、佐伯裕二《オーヴェールの教会》(1924)

編集部

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