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「特集:須藤オルガン工房の半世紀:その音と形、新収蔵作品展」(横須賀美術館)レポート。パイプオルガン工房の仕事に迫る【3/4ページ】

 本展は、須藤と同工房を紹介する展示となるが、開催のきっかけは同館がミュージアムコンサートを依頼したことであった。コンサートを準備するなかで、工房内にある多様な道具や貴重な模型、図面などを鍵に、オルガンの世界の扉を開き、オルガン職人という稀有な存在を知らせたいという両者の考えが一致して、年齢を考え大きな仕事は受けていないという須藤のいままでの活動を、改めて地元横須賀で紹介するに至ったという。

 本展は須藤の略年譜から始まり、日本で手がけた数々のオルガンの模型や写真を通じてその仕事の概観を知ることができる構成となっている。須藤いわく、設置空間にあわせてつくられるオルガンは量産楽器にはならず、唯一無二のものとして製作される。「建築空間の中で建築に融合しながらも一つの楽器として独立した存在でありたい」という須藤のこだわりから、施主へのプレゼンテーションなどの準備段階で、オルガンの外観デザインも含めた模型をつくることもある。本展では過去に製作された13個の模型を実際に見ることができる。

展示風景より、オルガン模型

 東京都世田谷区にある「日本基督教団 桜新町教会」の模型には、オルガンが設置される建築物も同じ縮尺でつくられている。天井部分にある梁も再現され、オルガンはその梁の奥側に配置されている。独立した楽器であるオルガンが、どのようにその空間に存在しうるかまでシュミレーションされており、建築とともに長くそこにオルガンが遺ることへの願いと意志が感じられる。

展示風景より、「日本基督教団 桜新町教会」の模型

編集部

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