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「死と再生の物語(ナラティヴ)」(泉屋博古館東京)開幕レポート。中国古代のデザインに見る死と再生の世界【4/4ページ】

特集展示「泉屋ビエンナーレ Selection」

 併催企画として、「泉屋ビエンナーレ Selection」もあわせて展示されている。これは、2021年・23年に泉屋博古館(京都)で開催された「泉屋ビエンナーレ Re-sonation ひびきあう聲」から選りすぐられた見目未果、佐治真理子、梶浦聖子、久野彩子といった4名の現代作家による鋳金作品を紹介するもの。

特集展示「泉屋ビエンナーレ Selection」の展示風景より、見目未果《ほねを いれる ための ようき》(2021) 所蔵=泉屋博古館
特集展示「泉屋ビエンナーレ Selection」の展示風景より、左から梶浦聖子《地上から私が消えても、青銅》(2023)と佐治真理子《きいてみたいこと~ Who are you ?~》(2021) 所蔵=泉屋博古館

 同ビエンナーレは、現代の鋳金作家に対し、館蔵の中国古代青銅器(約3000年前)からインスピレーションを受けた作品の制作を依頼した企画。青銅器に刻まれた複雑で象徴的な文様や造形は、今日の金属工芸にも大きな示唆を与え続けている。

特集展示「泉屋ビエンナーレ Selection」の展示風景より、久野彩子《time capsule》(2023) 所蔵=泉屋博古館

 展示された現代作品は、いずれも古代の鋳金技術に対する深いリスペクトと、素材である金属そのものの特性を最大限に引き出す作家の感性が融合したものである。古代と現代、工芸と造形、神話と技術が交差するこの展示は、鋳金芸術の現在地と未来を示唆する試みでもある。

 中国古代における死生観、自然観、宇宙観が、いかにして具体的なデザインとして表現されてきたのか──そしてそれがどのように時代や地域を越えて受け継がれてきたのか。本展は、文物を通して語られる「物語」に耳を澄ませる機会となっている。

編集部

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