尾張徳川家の名刀は何を語るのか
本展は、徳川美術館と蓬左文庫の開館90周年を記念して開催される特別展であり、同館が所蔵する刀剣・刀装を中心に、その作品の持つ物語に注目しながら紹介するものとなる。
会場は、蓬左文庫 展示室と徳川美術館 本展示室を利用した二部構成。まず第一部では、刀剣の装飾具である「刀装」に注目。3つの視点から見どころを紹介している。


刀剣というと武器のイメージが強いかもしれないが、平時であった江戸時代においてはTPOに合わせて身につけるものであった。ここでは、拵(こしらえ)や鐔(つば)など刀装の様々なデザインに注目することで、当時の武家文化の様相を探ることを試みる。また、当時は格式を示すエピソードを持つ刀剣が家宝として重視された時代でもあり、尾張徳川家では《物吉貞宗》が代々家宝として継承されている。

