まず来場者を迎えるのは、『銀河鉄道999』に登場する駅のプラットホームと銀河超特急999号のモニュメント。星野鉄郎とメーテルがここから旅立ったように、松本零士が歩んだ「創作の旅路」のはじまりを示唆するかのような演出だ。大型スクリーンに映し出されるアニメーションと、誰もが一度は耳にしたことがあるあの名曲とともに、特別な展示体験が幕を開ける(東京会場のみ)。

ZONE1では、北九州・小倉でマンガ家を志した10代の頃から、デビューに至るまでの活動やその作品を時系列に沿って紹介している。例えば、14歳の頃の作品『虫の世界探険記』(1952)にはじまり、夜行汽車で上京した頃の松本が描いた初期の少女マンガ作品や、個性の大切さを描いた『男おいどん』(1972)、さらには初公開となるデビュー当時の貴重な「創作ノート」も公開。ここでは松本の足跡を辿りながら、その創造力の源を目の当たりにすることができるだろう。
